こんにちは。飯綱町の宅建士、土倉進太郎です。
この記事は、飯綱町で毎日空き家と中古住宅を扱っている私が、いま町内で何が売りに出ているのかを毎月定点観測するシリーズの第1回です。
ポータルサイトを検索すれば物件は出てきます。でも「この価格の理由」「掲載情報に書ききれない現場の事情」までは載っていません。そこを現場の人間が書くのがこの記事です。
今月の数字まとめ(2026年8月時点)
- アットホーム掲載の中古一戸建て:24件(同じ物件を複数の会社が載せているので、実質は約20物件)
- 飯綱町空き家バンク登録:10件(うち2件は商談中)
- 価格帯:100万円〜2,998万円。飯綱町の中古一戸建ての相場は約1,390万円です
100万円から3,000万円弱まで、ひとつの町でこれだけ幅があるのが飯綱町の面白いところです。
飯綱町の売り物件には「3つの顔」がある
今月の物件を眺めると、大きく3つのグループに分かれます。
① 100万〜500万円:直して住む空き家層
現況有姿・残置物ありが基本です。安さには必ず理由がありますが、理由を理解して買えば、土地300坪超の平屋が100万円で手に入る世界です。
② 1,600万〜1,900万円:リフォーム済み再販物件
豊野エリアに集中しています。買取再販の会社が空き家を買い取り、水回りや内外装を直して売るビジネスモデルの物件です。「買ってすぐ住める」のが最大の価値で、その分の価格が上乗せされています。①と②のどちらが得かは、DIYにかけられる時間と体力次第です。
③ 別荘地系:川上・高坂エリア
霊仙寺湖周辺や別荘地など。「牟礼駅徒歩9000m」のような表記に驚くかもしれませんが、飯綱町は完全な車社会なので、駅距離はほぼ気にしなくて大丈夫です。宿泊業可の物件もあり、移住+小さな商いを考える方の選択肢になります。
現場で見ている注目物件(弊社取扱)
ここからは、私が実際に現地に立った物件だけを書きます。
普光寺の平屋5DK・100万円 ― 「安さの理由」まで全部書きます
昭和40年築の平屋5DK、延床44坪。土地は316坪で倉庫が2棟付きます。上下水道・電気は引き込み済み、空家なので即引渡し可能です。

正直に書きます。この家には基礎の傾きがある可能性があります。そして最大のネックは前面道路の一部が、実質的に幅員2メートル以下であること(近隣の生垣が道路側に越境しているためです)。車の出入りには相当な制約があり、これが100万円という価格の一番の理由です。

ただ、裏を返せばこの立地、車の音も近隣の騒音もほとんど気になりません。そしてこの価格帯の古民家で下水道に接続済みという物件は、実はかなり希少です。浄化槽の設置や汲み取りの心配なく水回りを計画できるのは、リノベーション前提なら大きなアドバンテージです。
残置物は現況のまま(仏壇のみ売主にて処分)、契約不適合責任は免責。条件を全部理解した上で「それでも面白い」と思える方に向けた一軒です。
▶ 詳細:【飯綱町普光寺】土地316坪・倉庫2棟付きの平屋5DKが100万円
坂口の大型古民家12DK・1,550万円 ― 状態の良い古民家+リフォーム済み住宅
登記簿上は明治44年(1911年)築。築100年を超える建物ですが、現地で見ると古民家としては状態が比較的良く、しかもリフォーム済みの住宅が付いているのがこの物件の強みです。和室8部屋・洋室4部屋の12DK、建物106坪・敷地405坪、土蔵付き。


私がこの物件で一番イメージしやすいのは店舗兼住宅としての運用です。古民家部分をカフェや工房に、リフォーム済みの住宅部分で暮らす。上下水道完備で、敷地の古井戸も業者確認済みで再生可能(工事費は買主負担)。裏山はタラの芽・こごみ・わらびが採れる山菜の宝庫で、隣接の山林3,539㎡も付帯します。
正直な注意点も書いておきます。付帯する土地には墓地18㎡が含まれます(墓じまい・解体、地目変更後の引渡し)。また登記簿と現況に相違があるため、売主負担で表題登記を修正してからの引渡しです。この辺りは古民家取引ではよくある話で、条件が契約前に整理されている分、むしろ安心して検討できる物件だと思っています。
坂口は人口の少ない、静かな集落です。だからこそ、ここで何かを始める若い人を、集落全体が待っています。
▶ 詳細:【古民家】飯綱町坂口 部屋数たっぷり12DKの大型古民家
川上の880万円別荘は売約済みになりました
先月まで弊社で扱っていた川上の5LDK(土地534坪・880万円)は、この記事を準備している間に売約済みとなりました。
「田舎の空き家はいつでも買える」と思われがちですが、条件の良い物件から順に、静かに売れていきます。飯綱町の物件を検討中の方は、このスピード感だけ覚えておいてください。
空き家バンクとポータルサイト、情報の読み方
最後に、探し方のコツをひとつ。
飯綱町空き家バンクには現在10件の登録がありますが、価格が公開されていない物件が多く、間取りと築年しか分かりません。一方アットホームなどのポータルには価格も写真も出ています。実は同じ物件が両方に載っているケースがあり、上で紹介した普光寺の平屋もそのひとつです。
バンクは「町が収集した物件の入口」、ポータルは「仲介会社が販売中の物件」。両方を突き合わせると、飯綱町の売り物件の全体像がようやく見えてきます。この突き合わせを毎月やるのが、本シリーズの役目です。
まとめ
- 飯綱町の中古住宅は現在、実質約20物件+空き家バンク10件
- 価格帯は100万円〜約3,000万円。「直して住む」「買ってすぐ住む」「別荘・商い」の3つの顔
- 条件の良い物件は静かに売れていく。880万円の別荘は今月売約済みに
来月も同じ定点で観測します。「この物件の詳細が知りたい」「現地を見たい」という方は、ツチクラ住建までお気軽にどうぞ。
※本記事の物件情報は2026年8月時点のものです。最新の販売状況は各物件ページでご確認ください。

コメント
コメント一覧 (1件)
[…] 8月版の物件ウォッチで書いたとおり、飯綱町の売り物件は「直して住む空き家(100万〜500万円)」「リフォーム済みの再販物件(1,600万〜1,900万円)」「別荘地系」の3つに大きく分かれます。価格だけ見ると、この物件は2つ目の価格帯に入ります。 […]