「飯綱町の土地って、坪いくらくらいですか?」
空き家や土地のご相談で、よく聞かれる質問です。ネットで調べると「飯綱町の地価は坪3万円台」と出てきます。ところが、実際に売りに出ている土地を見ると、坪3万円近い宅地もあれば、坪1,000円を切る別荘地や山林もあります。
この記事では、公的な地価の数字と、実際の売り出し価格の差を、飯綱町で土地の取引をしている宅建士の立場から整理します。
結論:地価の数字は「宅地」の値段。農地・山林・別荘地は桁が違う
- 2026年の飯綱町の地価(公示地価・基準地価の平均)は1㎡あたり10,238円、坪あたり約3.4万円
- ただし地価の調査地点は、牟礼駅周辺などの住宅地・商業地の5か所だけ
- 町の土地の多くを占める農地・山林・別荘地には、地価の調査地点がない。実際の売り出し価格は坪数百円〜数千円のことも多い
公的な地価:2026年は坪約3.4万円、30年で約3分の1に
国の「地価公示」と県の「地価調査(基準地価)」をもとにした、飯綱町の地価の平均は次のとおりです。
| 年 | 1㎡あたり | 1坪あたり | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 1996年(最も高かった年) | 29,112円 | 約9.6万円 | ― |
| 2016年 | 12,672円 | 約4.2万円 | -3.16% |
| 2025年 | 10,348円 | 約3.4万円 | -1.35% |
| 2026年 | 10,238円 | 約3.4万円 | -1.01% |
1996年をピークに下がり続け、30年でおよそ3分の1になりました。ここ数年は下げ幅が小さくなっていて、2026年は前年比1%ほどの下落です。
調査地点は5か所だけ
| 所在地 | 区分 | 用途 | 1㎡あたり | 1坪あたり |
|---|---|---|---|---|
| 大字牟礼字居村 | 基準地価 | 商業地 | 14,700円 | 約4.9万円 |
| 大字豊野字大原 | 公示地価 | 住宅地 | 10,800円 | 約3.6万円 |
| 大字牟礼字裏町 | 公示地価 | 住宅地 | 10,000円 | 約3.3万円 |
| 大字芋川字寺村 | 基準地価 | 住宅地 | 9,130円 | 約3.0万円 |
| 大字黒川字前田 | 基準地価 | 住宅地 | 6,560円 | 約2.2万円 |
どれも住宅地か商業地です。道路に面していて、水道が通っていて、家を建てられる土地の値段だと考えてください。
実際の売り出し価格:同じ町でも坪600円〜2.7万円
では、実際に売りに出ている土地はどうか。ツチクラ住建で売りに出している飯綱町の土地を、坪単価に直して並べてみます。
| 土地 | 面積 | 価格 | 坪単価 |
|---|---|---|---|
| 福井団地の宅地 | 約120坪 | 320万円 | 約2.7万円 |
| しらかば別荘地(2区画) | 約551坪 | 350万円 | 約6,300円 |
| 倉井の農地 | 約1,215坪 | 380万円 | 約3,100円 |
| 白樺台別荘地の土地 | 約215坪 | 20万円 | 約930円 |
| 川上地区の農地・山林18筆 | 約10,595坪 | 800万円 | 約750円 |
| ゴルフ場近くの別荘地山林(急傾斜地) | 約326坪 | 20万円 | 約610円 |
※価格は2026年9月時点の掲載価格です。最新の状況は各物件ページでご確認ください。
団地の中の宅地は坪2.7万円ほどで、地価の数字に近い値段です。一方、別荘地・農地・山林になると、地価の数字とは桁が1つ、2つ違ってきます。
なぜ、こんなに差が出るのか
1. 家を建てられるかどうか
土地の値段をいちばん大きく左右するのは、「そこに家を建てて住めるか」です。農地は農地法の許可がないと宅地にできず、買える人も限られます。山林や急傾斜地は、造成に費用がかかり、そもそも建てられない場所もあります。
2. 水道・道路・除雪
宅地として使うには、水道の引き込み、道路の幅、冬の除雪が問題になります。別荘地では、管理費や水道の負担金がかかる場所もあります。こうした「買ったあとの費用」が大きい土地ほど、売り出し価格は低くなります。別荘地で確認したい費用とルールは別荘地を買う前の注意点にまとめました。
3. 買いたい人の数
飯綱町の土地は、買いたい人の数に対して、売りたい土地の数が多いのが現実です。特に広い農地や山林は、まとめて買える人がほとんどいません。値段を下げても、なかなか動かない土地もあります。
地価サイトの坪単価で計算してはいけない
相続した土地の価値を知りたいとき、地価サイトの坪単価に面積を掛けて計算する方がいます。飯綱町の農地や山林でこれをやると、実際に売れる値段より何倍も高い数字が出てしまいます。
固定資産税の評価額も、目安にはなりますが、売れる値段とは別物です。土地の評価は、地価公示の価格のおよそ7割を目安に決められています(飯綱町「土地評価のしくみ」)。
実際に売れる値段は、その土地の用途・道路・水道・広さ・買い手の有無を見て、はじめて分かります。
売る人・買う人が見ておきたいこと
土地を売りたい人
- 地価の数字で期待しすぎない。農地・山林は「まとめて買ってくれる人がいるか」が先
- 古い家が建っているなら、解体する前に「古家付き」で売れないか相談する(空き家の解体費用の記事)
- 名義が亡くなった方のままなら、先に相続登記を(相続登記の義務化)
土地を買いたい人
- 安い土地ほど「家を建てられるか」「水道を引けるか」を先に確認する
- 農地なら、農地法の許可や転用の見込みを確認する
- 冬の除雪と道路の状況を、雪の季節に見ておく
安すぎる土地の見方は、215坪20万円の別荘地の記事や、約1万坪800万円の農地・山林の記事で具体的に書いています。
まとめ
- 飯綱町の地価(2026年)は坪約3.4万円。30年で約3分の1に下がった
- 地価の調査地点は住宅地・商業地の5か所だけで、農地・山林・別荘地の値段は分からない
- 実際の売り出し価格は、宅地で坪2.7万円ほど、別荘地・農地・山林は坪数百円〜数千円
- 地価サイトの坪単価×面積で、土地の値段を見込まない
※地価は国土交通省「地価公示」、長野県「地価調査」の2026年の数値(土地代データの集計)によります。

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